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東国の古代史

Top Page › 歴史文化 › 天平の甍 『 唐招提寺 』
2011-04-12 (Tue)  14:06

天平の甍 『 唐招提寺 』

もし法隆寺を訪れるなら、そこから遠くない唐招提寺と薬師寺に立ち寄るのも悪くない。特に唐招提寺は素晴らしい。

関西本線法隆寺駅から奈良方面へ二駅ほど乗ると大和郡山駅。近鉄郡山駅まで歩いて近鉄橿原線に乗り換え、西ノ京駅まで電車に揺られる。この駅が唐招提寺と薬師寺の最寄り駅になる。
 
 

唐招提寺の伽藍配置
 
唐招提寺は薬師寺の近くにあるが、創建された時代は半世紀ほど下った天平時代。この寺は薬師寺などの白鳳時代の寺とはだいぶ趣が異なる。伽藍配置が違うのは勿論だが、それだけではない空気の違いを感じる。
 

唐招提寺全景
 

唐招提寺には薬師寺や東大寺などで感じる華やかさやがない。色気がないと云った方がいいか。それは魅力がないというのではない。凛とした美しさは薬師寺以上だと思う。
 
 

唐招提寺金堂
 
飛鳥、白鳳時代の寺院は、創建は古くても後の時代に再建されている。特に薬師寺は天災や兵火に焼かれた影響で創建時のものは東塔だけで、西塔と
金堂は昭和に入ってからも復元作業が行われた。創建時の様式を忠実に再現してはいるが、時の重みが足らないのは致しかたないだろう。
 

唐招提寺金堂
 
寺の美しさというのは様式美だけではない。経過した時間が醸し出す美というものもあるような気がする。
唐招提寺には奈良天平時代の1250年を経た建造物が残っている。
特に金堂は保存のためのメンテナンスを受けているが、当時造営のままだという。まさに、国宝、世界遺産にふさわしい。張りつめた荘厳な空気は古刹が作りだす独特の雰囲気なんだろう。
 

唐招提寺講堂
 
 
講堂は平城宮にあった朝集殿を創建時に移築したもので、平城宮の残存建築としては、唯一これしか残っていないという。当然、国宝である。講堂は鎌倉期に改修が入っており、その時に鎌倉様式に一部改変されているとはいえ、質素で、かつ、堂々としている。
 
もう一つ忘れてはいけない要素があった。唐招提寺というのは南都六宗の一つである律宗の総本山になっている。律宗というのは、戒律を研究し、実践するという中国伝来の教義。
日本からの招請に答え、苦難の末に来日した鑑真和上は東大寺で5年を過ごす。やがて、新田部親王の旧宅地を下賜され、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ僧たちのために道場を開いた。この道場が後に唐招提寺と呼ばれることになる。質素にして厳しい戒律を守るという教えが寺の雰囲気を作ってると考えられること。 
 
古墳時代を経て日本文化は、飛鳥、白鳳、天平と推移してきた。寺院も時代の特性をもって変化していく。しかし、唐招提寺の匂いは時代文化というより、寺院の目的が発していると考えたほうがいいのかも知れない。近年、奈良の寺を見学する機会もないが、平成の大修理を終えた後の伽藍を訪れてみたい。
 
 
 





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