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東国の古代史

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2011-04-13 (Wed)  07:39

ウイルスでやっつける癌治療(3)

3回目は遺伝子操作されたヘルペスウイルス「G47デルタ」の実効性と安全性について触れます。

G47デルタはアメリカで開発されたG207の改良版であることは最初に記載したが、基礎実験では、G47デルタはG207 に比べ、10 倍の抗がん効果を発揮するそうだ。また、動物実験による安全性試験では、G47デルタはG207 と少なくとも同等の安全性が確認されているので非常に期待できるウイルス製剤だという。現在、人間への臨床実験も始まったので近い将来認可される可能性が高い。
しかし、素人にとって生物の遺伝子操作と聞くと非常に不安な思いがあるのは事実。増してや、それがウイルスとなれば、非常に危険なウイルスがはずみで出来てしまうのではないかという不安がよぎる。それほど危険ではなくても、遺伝子操作されたヘルペスウイルスに感染したときに従来の治療で対応が可能なのかという疑問もあるだろう。これらの疑問についても、テレビ番組の中では簡単に解説されていた。
 
口唇ヘルペスのウイルスは元々伝染性の強いウイルスではないので感染を防ぐのは遺伝子操作されたウイルスでも容易だという。通常の環境中でも極めて弱いウイルスで、紫外線照射や高温蒸気滅菌はもちろんのこと、消毒用アルコールをはじめとする通常の消毒薬で速やかに死滅するそうだ。 
また、万が一、医療従事者に感染したとしても、前回の遺伝子操作の効用で説明したように、人間の正常細胞で増殖は出来ないので、癌患者でも、正常者でも、感染が広がる恐れはないという。
 さらに、G47デルタが自然界で変異して恐ろしいウイルスに変化していく恐れがないかという疑問がある。しかし、これも人ゲノムというのは、人工的変異であれ、自然変異であれ、ゲノムに変異が加わると必ず弱毒化するという基本性質があるそうだ。
G47デルタは、3つのウイルス遺伝子に人工的変異があるため、正常細胞に対してはすでに著しく弱毒化しており、自然変異が加わってウイルスが強くなることはあり得ないという。例え、そのウイルスが自然界で生き延びたとしても、人工変異させたゲノムが自然に元に戻る可能性もゼロだという。
 
世の中に絶対なんて事はあまり無いと思ったほうが安全ですが、取りあえず現在の
遺伝子操作技術のレベルで安全保証は可能ということ。もっとも、癌患者から見れば、治療を躊躇する余裕がないのも事実。例え、リスクの可能性があったとしても頼りたいのが心情であろう。
 
 
 
 
【参考・引用】
■NHK教育テレビ『サインエンスZERO』番組
■『東京大学医学部附属病院トランスレーショナルリサーチセンター』ホームページ
 



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